:「ウィルキンス・パーク」 60年の歴史に幕
◇野球少年に夢を抱かせた天然芝の球場
◇跡地に空自施設
米軍横田基地(福生市など)にある球場「ウィルキンス・パーク」が3月、60年の歴史に幕を閉じた。米軍再編に伴い、航空自衛隊航空総隊司令部(府中市)が横田基地に移転し、球場跡地に関連施設が建設されるためだ。アメリカの息吹を感じさせる天然芝の球場は、日米の交流試合でたびたび使用され、多くの野球少年に夢を抱かせた。【川崎桂吾】
在日米軍横田基地の広報部によると、球場ができたのは1948年。旧日本軍の飛行場を接収した進駐軍が造成した。スタンド付きの本格的な造りで、グラウンドは天然芝で覆われていた。普段は基地関係者が余暇で使用していたが、日米の少年野球大会や大リーグ選手との交流イベントなども開かれた。
檜原村の元都職員、吉野俊次さん(63)は檜原中の2年生だった58年、野球部のチームメートとこの球場でプレーしたことがある。村と交流のあったアメリカ兵が招いてくれたもので、基地内の少年チームと対戦したという。「スパイクもろくに買えなかった時代で、本格的な球場でプレーするのは初めて。アメリカ兵からもらったユニホームと硬球の感触が忘れられません」と振り返る。
元ヤクルトスワローズの選手でスポーツキャスターの栗山英樹さん(47)=小平市出身=も中学時代に交流試合でプレーし、天然芝とレンガ色の土のコントラストが強く印象に残っている。「球場の明るく、楽しい雰囲気は、その後の野球人生の原風景になった」と話す。
栗山さんは現役引退後、子供たちに野球の楽しさを知ってもらおうと02年、北海道栗山町に天然芝の球場を造った。映画「フィールド・オブ・ドリームス」を意識したが、ウィルキンス・パークの面影も重ねたという。
防衛省北関東防衛局調達計画課によると、球場の跡地には総隊司令部の空調設備などが入った機械棟が建設される。
〔都内版〕
8月10日毎日新聞朝刊
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